進まない福祉業界のIT化と個人情報保護
世の中はペーパーレス化が進み、文字だけで表現する時代から音や映像を使って、より分かりやすく伝える時代になっている。
一方、福祉業界は手書きでノートに書き、コミュニケーション手段の中心は電話、書類送付は郵送。そんなところがまだまだ多い。
介護の場合、利用者本人はもちろん高齢で、その家族も高齢化しているのでコミュニケーション手段が電話になってしまうのは仕方がない部分もあるが、それにしても効率の悪いことをしているものだと思う。まるで、昭和の時代がそのまま続いているような気がする。
なぜメールを使わないのかと聞くと、必ず個人情報保護、情報漏洩防止みたいな回答が帰ってくるが、そんなこと言っていたら誰もパソコンやスマホで仕事ができなくなってしまう。そもそも、パソコンを使わなくても、喋っていることを誰かに聞かれたり、情報が漏れる可能性はいくらでもあるのだ。
世界で一番行政手続きの電子化が進んでいるエストニアでは、個人の資産や納税額等が開示されているらしい。財産や納税額まで公表するのは、ちょっと抵抗があるが、少なくとも今の日本では個人情報に対して過敏になっているのではないだろうか?
本当に保護すべきものは何なのか、本当に優先すべきものは何のなのか?考え直す必要があると思う。